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2016年

2016年12月08日

北村和也(81回)2016 SpineWeekにてAsia Pacific Spine Society Best Paper Award (poster) 受賞

2016年5月16-20日にシンガポールで開催されたSpineWeekにおいて、北村和也君(整81回)が“Rotatory range of motion of atlanto-occipital joint increases after spontaneous osseous fusion following remodeling therapy for chronic atlantoaxial rotatory fixation”の演題でAsia Pacific Spine Society(APSS)のBest Paper Award (poster)を受賞した。SpineWeekはその名の通り、脊椎に特化した複数の国際学会が一堂に会して1週間にわたり学会活動を行う非常にアクティブな集いであり、4年に一度開催される。これまでは主にヨーロッパで開催されてきたが、今年初めてアジアに上陸し、18の関連学会が参加した。その1つであるAPSSは、アジア環太平洋整形外科学会(Asia Pacific Orthopaedic Association:APOA)の脊椎部門の学会であり、近年では会員数が増加し、将来を有望視されている学会の1つである。今回は、その記念すべき1st Asian SpineWeekでAPSS学会賞を受賞する快挙となった。
環軸関節回旋位固定(atlantoaxial rotatory fixation : AARF)は第一頚椎(環椎)が第二頚椎(軸椎)に対して回旋しながらずれることで斜頚位(頚部が斜めに拘縮位をとる)を呈する、頚椎運動障害の代表的疾患である。本疾患の多くは小児に発生し、外傷あるいは上気道感染に続発して発症する。特に発症後2-3ヵ月以上経過した陳旧性AARFは整復困難や再発のため治療に難渋する事が多く、外科的治療が唯一の治療法であった。我々は、過去に環軸関節変形のリモデリングを指標とする画期的な低侵襲治療(リモデリング療法)を開発し、現在では本治療法が国際的に広く普及しつつある。一般にリモデリング療法を施行した多くの症例において正常な頚椎回旋可動域(ROM)を獲得できる。その一方で、一部の症例ではリモデリング療法中に予期しない脊椎の骨癒合のためにROMが制限されるものの、経年的にROMが徐々に改善する現象が以前より知られており、そのROM代償メカニズムは不明であった。北村君は、CT画像を詳細に検討し、正常小児では頭蓋環椎関節ROMはごくわずかであるが、AARFリモデリング療法後のROM制限症例では、頭蓋環椎関節ROMが著明に増加していることを初めて明らかとした。頚椎ROM代償が、頭蓋頚椎間で生じているという新たな知見を導き出したことが今回の受賞につながったものと考えられる。現時点では、多くの陳旧例においてリモデリング療法による保存治療が可能であり、今後もより低侵襲で安全な本法の啓蒙に努めていきたいと考えている。(石井賢 整形外科 72回)


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