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スポーツ班

[ 概要 ]

スポーツ活動では種々のケガ(外傷)や障害が発生します。これらのスポーツ外傷・障害は、overuse(使いすぎ、酷使)に起因することがしばしばあり、多くの場合、早期の競技復帰が望まれます。整形外科学教室スポーツ班は各臨床班(脊椎、上肢、下肢)のスペシャリストにより構成される専門分野を超えての診療ユニットであり、大学病院内のスポーツ医学総合センター、リハビリテーション科と協力しながら、スポーツ外傷・障害の保存的・手術的治療を行っています。

私たちは、東北楽天ゴールデンイーグルス(整形外科学教室)、東京ヤクルトスワローズ(スポーツ医学総合センター)などのプロ野球球団の他、多岐にわたる種目のトップアスリート、社会人・学生スポーツのメディカルサポートを行っています。しかし、スポーツ医学は決して高いレベルの競技者のためだけのものではありません。私たちスポーツ班は、競技レベルを問わずあらゆる人々のスポーツ活動を支援しています。スポーツ活動を行うすべての人々の外傷・障害に対して、最新の知識・技術と万全の診療体制で各々が求めるレベルへ復帰することをお手伝いします。

[ スタッフ紹介 ]

佐藤 和毅 Kazuki Sato

教授(スポーツ医学総合センター)
卒業年度 1989年
専門 手肘の外科、上肢スポーツ障害、上肢外傷
留学 2001年 - 2002年 ニューヨーク州立大学バッファロー校(アメリカ)

原藤 健吾 Kengo Haratou

専任講師
卒業年度 1999年
専門 スポーツ膝関節外科、人工関節、歩行解析、バイオメカニクス、リウマチ膝関節外科
留学 2005年 ウエスタンオンタリオ大学(カナダ)

松村 昇 Noboru Matsumura

専任講師
卒業年度 2002年
専門 肩関節外科、肩関節鏡手術、人工肩関節置換
留学 2011年 サングレゴワプライベート病院(フランス)

尾崎 正大 Masahiro Ozaki

講師
卒業年度 2007年
専門 脊椎脊髄一般、脊椎外傷、脊髄再生

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[ 実績紹介 ]

肘関節内側側副靱帯損傷(野球肘)に対する靱帯再建術

野球などの反復する投球・投擲動作によって発生する内側側副靱帯損傷に対しては、基本的には投球の休止(局所安静)、ストレッチング、コンディショニングなどの保存的(手術をしない)治療を行います。しかし、保存的治療無効例、重症例に対しては靱帯再建術を行います。
“伸びて”緊張を失った内側側副靱帯(左写真)の上に、長掌筋腱という前腕の腱(中央)を使って新たに靱帯を再建しています (右写真)。

肘関節障害・手関節障害に対する関節鏡視下手術

関節鏡視下手術の最大のメリットは、手術侵襲(体へのダメージ)が比較的低く、その結果として早期のスポーツ復帰が可能となることです。肘関節では関節内遊離体、関節滑膜障害(滑膜炎)、上腕骨小頭離断性骨軟骨炎、肘関節拘縮、変形性肘関節症など、手関節ではTFCC(三角線維軟骨複合体)損傷、手関節拘縮などの疾患に対して行います。

股関節鏡視下関節唇縫合術

当科ではiatrogenic hip instabilityを防ぐ目的で腸骨大腿靭帯を温存した3ポータル法により関節唇縫合術を行っている。下図は関節唇関節軟骨移行部での広範囲断裂を生じた例であるが、関節唇縫合術とドリリングを行い術後成績は良好である。

スポーツ障害のリスク評価

スポーツ班では、動作解析によるスポーツ障害のリスク評価を行っています。その目的は、スポーツ障害の予防、手術後の再受傷予防、スポーツパフォーマンスレベルの向上です。
慶應大学体育会運動部、慶應大学医学部運動部と連携して研究を行っています。

膝前十字靭帯再建術

前十字靭帯再建術に関しては、可能な限り遺残靭帯を残して、解剖学的な再建術を目指しております。
また、術後疼痛としびれの軽減のために、駆血帯を使用しない低侵襲の再建術を行っております。

膝半月板縫合術

半月板損傷に関しては、二次的な変形性関節症を予防するために、可能な限り縫合術を施行しております。

反復性肩関節脱臼・肩関節不安定症

肩関節は大きな動きを持つ一方、一度脱臼を生じると繰り返し外れやすくなり、しばしば日常生活やスポーツ活動に大きな支障をきたします。主に関節鏡手術を行い治療しますが、われわれは各症例の病態を詳細に検討した上で、それぞれに合った治療法を選択しています。各患者さんに適した手術を行うことにより、良好な関節の安定性を得ることが期待できます。

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