女性ドクターFAQ

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女性ドクターFAQ CASE05

家庭の事情などの相談にも乗ってもらえ、
1人で困ることもなく、いつも安心して仕事ができる環境がある。

鳥居 暁子 TORII AKIKO

慶應義塾大学整形外科教室(教育担当)

慶應義塾大学理工学部卒業、北海道大学医学部卒業。都立府中病院(現:多摩総合医療センター)で初期研修後、2010年慶應義塾大学整形外科教室入局。同大学病院、公立福生病院、国立成育医療研究センター病院に出向後、2017年に帰室。2018年10月より教育担当専任。2児の母。

女性として整形外科医になることに不安はありましたか?
また、整形外科医を目指された理由を聞かせてください。

特に不安は感じませんでした。学生時代は別の診療科を考えていましたが、初期研修で整形外科をローテートし、診断から治療まで一貫して関われること、小児から成人まで外傷や慢性疾患など幅広くみられること、疼痛や機能障害の改善によりADLやQOLが向上した多くの患者さんの笑顔に触れ、遣り甲斐を感じたことなどから整形外科医を目指しました。また、研修中に明るく前向きで尊敬できる先生方が多かったこと、私自身スポーツが好きであることなども選択した理由です。

整形外科医になり、これまで関連病院はどこに勤務されましたか?
実際にそこでの研修はどうでしたか?

大学病院9か月、公立福生病院1年3か月、成育医療研究センター病院に5年半在籍しました。
専修医として最初の9か月間は大学でレジデントとして各臨床班に所属し、手術参加や病棟・外来業務などを通して、外科医として必要な基礎的知識や手技を中心に、整形外科医として患者さんに向き合う姿勢を学びました。レジデント向けレクチャーやカンファレンスでのプレゼンなど教育的な指導も手厚く、同期と切磋琢磨した忘れられない期間です。公立福生病院は初めての出向先でしたが、二次救急病院で外傷から慢性疾患まで沢山経験することができました。外来や手術など初めて主治医となり責任の重さを実感しましたが、毎朝の画像チェックなど先生方に丁寧にご指導いただき、楽しく研修することができました。その後出向した成育医療研究センターは小児の総合病院ですが、それまで成人疾患ばかりだったため、小児整形外科はとても新鮮でした。先天性疾患から外傷まで幅広く、外来も手術も毎日新たな学びがあり、どの先生も教育熱心で学会発表の機会も多くいただき、充実した研修をすることができました。

整形外科の手術には腕力など体力がいるものもありますが、実際にはどうでしたか?

手術によっては女性だと少し大変に感じることもあるかもしれませんが、実際には腕力のいる手術はそう多くありません。大変な時は、周囲の先生が助けてくれますし、自分自身でコツを見つける努力をすることで乗り切ることができると思います。また、整形外科の手術は数時間の手術が多く、上肢など座ってできる手術もありますので、体力で困ることはあまりないと感じています。

それぞれの先生が各臨床班に属され、違った形で、
整形外科の診療、研究、教育に従事されています。
その中でどのような医師像を目指されていますか?

整形外科を目指した理由の一つでもありますが、目の前の患者さんに診断から治療まで一貫して関わり、その人の人生を幸せにできるような整形外科医でありたいと思っています。また、大学に帰室後に研究や教育に従事する機会もいただき、現在は教育担当として主に医学部5年生や6年生の卒前教育に従事していますが、教育は多くの医師を育てる点で臨床や研究と同じようにとても大切な仕事です。一人ひとりの患者さんを大切にし、適切な医療をしていく上で何が重要なのかを学生に伝えられるよう、医師であり教育者としての学びも深められればと思っています。

皆さん、結婚と出産を経験されていますが、
仕事と両立するに当たって心がけられている事を教えてください。

整形外科に限らず、女性の場合は妊娠・育児などに際し、仕事を続ける上では周囲の理解とサポート環境がないと難しいかと思います。整形外科であれば妊娠中の透視の手術や当直などを外してもらう等の必要があります。自分が出来ない所は他の先生が代わりに補ってくれているため、周りの先生方に常に感謝の気持ちを伝えることが何より大切だと思っています。また、家庭では夫と協力して育児を行い、子育て支援のサポートも適宜利用しています。

整形外科は男性が占める割合が他科に比べると多いですが、
その中で実際に感じたことを教えてください。

男性医師が占める割合は高いですが、仕事上で不利に感じることはありません。女性の患者さんには、貴重な女性医師として外来で喜ばれることも多くあります。また、整形外科教室としても女性医師をバックアップしてくれる体制がありますので、日々充実して過ごせていると実感しています。

女性医師として慶應義塾大学の専攻医プログラムを選ぶメリットは?

整形外科の手術では、実際には神経や腱を扱う手外科など繊細な手術も多くあり、また外来では変形性関節症や骨粗鬆症、RAなど女性の患者さんも多いなど、女性医師が向いている、あるいは求められる場面も多いです。専攻医プログラムでは、大学や関連病院のローテートで脊椎、上肢、下肢、腫瘍班を中心に、様々なサブスペシャリティーもバランスよく学ぶことができます。また、大学のメリットとして、多くの先生方と知り合う機会があること、セミナーなども定期的に開催され学びを深められる機会が多いこと、臨床だけではなく基礎研究なども充実している点なども挙げられます。教室では、家庭の事情などの相談にも乗ってもらえますので、1人で困ることもなく、いつも安心して仕事ができる環境があると思います。

将来を悩まれている女性研修医に一言

やはり外科系ということで体力的にやっていけるのかと悩むかもしれませんが、体力で困ることはほとんどないと思います。また、外科系のキャリアを積む上で、妊娠や出産などで休むことで手術手技の習得が遅れるのではという心配もあるかと思いますが、復帰したら頑張るチャンスは沢山ありますので、多少割り切って考えて良いと思っています。女性の場合は、結婚に伴う転勤や妊娠~子育てのタイミングなど不確定な部分も多いので、自分の気持ちや周囲の環境と相談しながらその時々でベストなキャリアを検討していくのが良いと思います。慶應義塾大学整形外科にはしっかりとしたバックアップ体制があるので、是非一緒に仕事ができたらと思っています。

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